画像はイメージですレバノン一部地域の危険情報レベル引き下げ
編集部2026/9/21 0:15:23
外務省は、レバノンに関する危険情報を更新し、これまで最も高いレベル4(退避勧告)としていた地域のうち、ベイルート県やラフィーク・ハリーリ国際空港の敷地内、空港とベイルートを結ぶ幹線道路51号線、山岳レバノン県メトン地区、バーブダ地区(ベイルート南部郊外のダーヒエ地区を除く)、ケセルワン・ジュベイル県、北レバノン県のバトルーン、クーラ、ブッシャーレ、ズガルタの各地区について、レベル3(渡航中止勧告)へ引き下げました。
今回の引き下げの背景には、今年4月17日に発効したレバノンとイスラエル間の停戦合意以降、これらの地域でイスラエル国防軍による攻撃が確認されていないこと、6月26日に発表された米国・レバノン・イスラエルによる3か国枠組み合意によって、両国間の緊張がある程度緩和されたことが挙げられています。ただし、今年3月2日にイスラエルがヒズボッラーなどへの攻撃を始め、それがレバノン南部・東部だけでなくベイルート県やダーヒエ地区、山岳レバノン県中部へと広がったこと、3月11日にはヒズボッラーがイランと共同でイスラエル北部を攻撃し、12日以降にイスラエル側が攻撃規模と事前警告の範囲を拡大したことなど、情勢が短期間で大きく動いた経緯があります。停戦後もイスラエルはヒズボッラーの武装解除が進んでいないことを理由に南部への駐留を続けており、同地域では軍事衝突が続いています。
レベル3に下がった地域についても、情勢次第で緊張が急激に高まり、再び攻撃が起きたり、定期商用便の運航が止まったりする可能性は否定されていません。外務省は、目的を問わずこれらの地域への渡航を控えるよう求めており、すでに滞在している人には、細心の注意を払いながら、不測の事態には出国を含めて速やかに安全な場所へ退避するよう呼びかけています。なお、レバノンの復旧・復興に携わる企業や団体の活動など、真にやむを得ない事情がある場合に限り、レベル3地域への渡航・滞在は妨げられないとされていますが、その場合も在レバノン日本国大使館と緊密に連絡を取り、所属組織として十分な安全対策を講じることが前提とされています。
一方、南レバノン県、ナバティーエ県、ベカー県、バールベック=ヘルメル県、アッカール県、北レバノン県のトリポリとミニエ・ダンニーエ、山岳レバノン県のアレイ地区とシューフ地区、そしてベイルート南部郊外のダーヒエ地区(シャティーラおよびブルジュ・バラジュネのパレスチナ難民キャンプを含む)は、レベル4の退避勧告が続いています。停戦合意後も駐留やヒズボッラーを標的にした攻撃が起きており、不発弾が残っている恐れもあるため、滞在者は安全を確保したうえで直ちに退避することが求められています。国内各地では不発弾の処理が進められていますが、すべての対処には時間がかかるとみられます。また、パレスチナ難民キャンプはレバノンの治安機関の管轄外で、テロリストが潜伏している可能性が指摘されており、過去にはキャンプに立ち入った日本人が拘束された事例もあります。どの県にあるキャンプであっても、立ち入るべきではないとされています。
一般的な安全対策としても注意点が並びます。レバノンでは内戦などの経緯から銃器が広く出回っており、個人間のトラブルが発砲に発展したり、集団同士の抗争や犯罪組織と治安機関の衝突が銃撃戦になったりする事例が確認されています。冠婚葬祭や祝日、大規模イベント、宗教関連の記念日、政党の重要人物の演説放送時には祝砲として実弾が発射される習慣があり、例年死傷者が出ていることも留意が必要です。ほかにも、富裕層を狙った営利目的の誘拐が各地で発生していること、軍基地や政府関連施設だけでなく警備の薄い不特定多数の集まる場所を狙ったテロが世界的に頻発していること、違法薬物の利用や所持、運搬が厳重に処罰されることなどが挙げられています。近年の経済・財政危機の深刻化やシリアからの難民・避難民の流入を背景に、窃盗や車上荒らし、強盗の発生も確認されており、医薬品などの生活必需品の価格高騰や供給の不安定さ、電力供給の不安定さ、自家発電機用燃料の高騰も続いています。
やむを得ずレバノンに滞在する場合は、携行品や備蓄物資を再確認し、外務省や在レバノン日本国大使館、現地の関係機関から最新情報を入手することが重要です。3か月以上滞在する人は在留届を、3か月未満の滞在者は海外旅行登録「たびレジ」への登録が求められています。困ったときの連絡先として、在レバノン日本国大使館の領事班メールアドレス(consular.section@bt.mofa.go.jp)や外務省領事局海外邦人緊急事態課のメールアドレス(kinji@mofa.go.jp)が案内されています。危険情報は地域ごとに細かく区分されているため、渡航や滞在を検討している人は、自分の目的地がどの区分に当たるかを最新の情報で確認しておくことが欠かせません。
引用元: 外務省 海外安全情報
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